博多旧市街ライトアップウォーク2018 - 東長寺プロジェクション
Hakata Old Town Light Up Walk 2018 Tochoji Temple Projection

13回目となる「博多旧市街ライトアップウォーク 千年煌夜 2018」の東長寺ライトアップに宇佐美が映像作家として参加しました。発祥から777年を迎えた「博多織」を題材に、技・志・命を紡ぐという切り口で映像作品を制作し、本堂へ投影しました。期間は2018年10月31日(水)~11月4日(日)。前夜30日にはTVQプレミアムアコースティックライブという音楽イベントで手嶌葵さんとゴンチチさんの幕間に投影しました。

Panasonicさんによる敷地全体の照明は「五色献上」をテーマとし、「高貴・神秘」を意味するシックな紫が本堂周辺を染めました。

映像制作の基本プランとして縦糸・横糸、座繰り、独鈷華皿といった博多織の構成要素を散りばめた、大きなスケールの手書きアニメーションでもって展開させていくことを考えました。(下の絵コンテは初期のもの。変更点あり。)

制作の前段階で博多織について調べていくと、「生と死」というものが重要なテーマとなりうるように思えました。職人さんがお弟子さんに技術を伝えていくことと、職人さんが日々蚕の死と引き換えに糸をいただき紡ぐことは、どちらも「生の一部を残し、引き継ぐ」ということです。歴史としても非常にスケールの大きな物語です。きっと無数のドラマがあり、無数の死の上に成り立っている.. そうした大きなものに対する感動を作品に入れることはできないかと考えたのです。

表現手法として博多織の柄を写経する(ようにアニメーションを描いていく)うちに次第に作家の形が生まれるようなことを期待していました。素材づくりに福岡デザイン専門学校の学生有志6名が参加することになり、アナログな手法でひたすら絵を描くようお願いしました。直書きならではの精気、多少荒削りでも生命力のあるタッチが欲しかったのです。

今回投影する東長寺本堂は非常に大きいものです。投影に関しては、5つの扉に1台ずつプロジェクターをあてがい、5面で一つの細長い画面となるよう計画しました。現場ではPanasonicさんが開発したスポットライト型プロジェクター「スペースプレーヤー」を5台同期させて使用しました。ぎりぎりまで位置調整やタイムラグ解消の作業を繰り返しました。

音楽は福岡の宇佐美朗氏によるもの。過去に福岡市科学館「発見の壁」や弊社作品「時空間のしっぽ」PV、「久留米シティプラザ グランドオープン」CMなどで携わっていただきました。今回はモノクロームな生死の雰囲気漂う..そんなジャズのテイストでお願いしました。

 

博多織という題材に対し、やや愚直に汗をかき画・面・音を作り込み、紡ぎ込むことで答えたプロジェクトです。映像をご覧になり、作り手それぞれの生の熱量を感じていただけると幸いです。

Project Title

博多旧市街ライトアップウォーク2018 - 東長寺プロジェクション
Hakata Old Town Light Up Walk 2018 Tochoji Temple Projection

Category

Release Year

2018.10

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